Life is Money!!

 ナオミ姐さんこと若林直美さんとTRPGしてきました。えらく楽しかったので、プレイレポをアップしてみます。なお、参加メンバーは以下の通り。
 GM:矢野俊策
 プレイヤー:若林直美、中村やにお、安達洋介、◎畑、田中天
 以前に遊んだときは、様々なリプレイメンバーによるダブルクロス祭でしたが、今回は『アリアンロッド』。

 レベルは3、フェイトは7点(転職したら6点)というレギュレーションです。
 GM曰く、
 「どんなアイテムでも、好きなだけ買ってよいよいよい(残響音あり)」
 との大盤振る舞い太っ腹レギュレーション!
 さっすが〜、矢野様は話がわかる〜。
 ……って信じられるか! 絶対罠だ!
 今回予告見たら「だが、それは金貸しの巧妙な罠だった」とか「莫大な借金」とか書いてあるし!
 悔しい……でも買い物しちゃう!
 そんなこんなで、ネジが吹き飛んだように買い物をし、出来上がった冒険者を紹介します。

名前:フォルツァンド プレイヤー:若林直美
クラス:ウォーリア/モンク 種族:ドゥアン
セッション毎に行きずりの男に一方的に惚れては超高速で空回る女。
被愛妄想が激しく、脳内で勝手に愛のヒストリーを構築する。ボンクラ。

名前:シャルル・ド・エーム プレイヤー:中村やにお
クラス:ウォーリア/モンク 種族:ヒューリン
人をカバーリングして大ダメージを受けることで絶頂に達するドMの変態。
外見はシャルル・ド・ゴールその人(恐れ多い)。ボンクラ。

名前:コントラ プレイヤー:安達洋介
クラス:アコライト/プリーチャー 種族:エルダナーン
漠然とした不安を紛らわすために次々と神々や竜への信仰に走る青年。
ポジティブシンキングしかできないため常に誰かに騙される。ボンクラ。

名前:ラッド・ニュークリア プレイヤー:◎畑
クラス:シーフ/ダンサー 種族:ヴァーナ
天才少女科学者(ベッキーみたいなの)によって作られた、原子力で動く科学の子。
博士の治療費を稼ぐために冒険者となったが、どう考えても博士の病気はラッドの放射線が……。
ボンクラ。

名前:ロン・ジェム プレイヤー:田中天
クラス:メイジ/サモナー 種族:ドラゴネット
アルディオン大陸から勇者を探してやってきたが、貨幣経済に飲み込まれ愚劣な一消費単位の豚となった竜人
「余ってば●●じゃないですかぁ」とムカつく口調がチャームポイント。ボンクラ。
なお、一応ギルドマスター。

 ……うん、すまない。
 本当にダメな人間ばかりなんだ、今回のパーティは。
 これまで幾度も一緒に冒険したという設定のパーティなんですが、こんなんでどうやって生き残ってきたのかが不思議なほどにアカンタレ揃いです。


 ◆オープニング:安さ爆発! 詐欺セール!
 一仕事終え、たまり場でグダってた冒険者たちの元に、仲間のコントラが息せき切って駆けこんできた。その手に握られていたのは、一枚のチラシ。
 コントラ:「みなさん、見てください! 激安セールですよ!」
 そこには「衝撃! 99.9%セール! ゴンゾロフ商会」の文字。
 つまり1000Gの品が1Gで買える
 ちょっと疑問にも思ったが、そこはボンクラっぷりに定評のある我々。
 極小文字で添えられている但し書きになど目もくれず、一路、ゴンゾロフ商会へ。
 フォルツ:「チラシに載ってる写真の店員さんカッコイイ。今すぐ行くわ、ダーリン!」
 約一名、さっそく色ボケが始まったが、それを見て見ぬふりをする情けが冒険者たちにもあった。


 んで、お店に到着。
 チャラい容姿の店員に迎えられ、心ゆくまで買い物を堪能する我々。
 ちなみにこの店員の名前は決まっていなかったので、チャラ夫・ゴンゾロフとなった。
 フォルツ:「チャラ夫様、この剣があれば私たちの新生活も豊かになるかしら?」
 チャラ夫:「はぁ? ……あ、ああ、そうっすね。よく似合うと思いますよ」
 光の速さで恋愛妄想を悪化させるフォルツと、それを巧みにカモるチャラ夫。
 それを見て見ぬふりをする情(略)。


 1時間後、そこにはすっかり金満装備をひけらかす鼻持ちならない冒険者の一団が!
 支払い書類にサインを済ませ、意気揚々と次の冒険へ……出る前に、酒場を貸しきってのどんちゃん騒ぎ! ヒャッハー飲め飲め飲め飲め!
 ………………。
 …………。
 ……あれ?
 気づくとそこは、地下室っぽいとこ。
 目の前には、小ずるそうな小男。名を、トリタテ・カシツケウス・ゴンゾロフ。
 名前からして取立てに来たのは明らか。
 トリタテ:「ケヒヒッ。それでは買い物の残金をお支払いいただきましょう!」
 要するに、
 ・定価の0.1%を支払えば、一定時間だけアイテムをレンタルできる。
 ・時間が過ぎたら、定価を支払わなければならない。クーリングオフ不可。
 ・払えない金は、そのままゴンゾロフ商会からの借金となる。
 という悪質な詐欺だったことが判明。
 俺たち、そんな書類にサインしちゃったんか!
 さて、ここで問題になってくるのが各人の借金額。
 ・フォルツ   借金: 45,675G
 ・シャルル   借金: 59,745G
 コントラ   借金: 25,967G
 ・ラッド    借金: 89,165G
 ・ロン・ジェム 借金:462,645G
 約一名、桁違いに借りてる奴がいます。
 なぜか?
 ロン・ジェムは《マテリアルコンポーネント2》というスキルを取得しており、1個2万Gの超高級宝石を潰すことで魔術のダメージを+8Dできる、遠坂凛っぽいトカゲ。攻撃魔術と合わせ、10D+8点の魔法ダメージを範囲にバラまけるわけだ。3レベルキャラでこの数値はまさに破格!
 ならば限界まで買うしかないだろう。狂気の沙汰ほど面白い……!
 2万の宝石×20個=40万!!
 なお『アリアンロッド』では、装備品は半額で売却可能。
 ここで、ロン・ジェムの装備品を売却した金額と、他の4人の借金合計を比較してみよう。
 売却:231,322G
 借金:220,552G
 売却額が借金を上回っているという事実。
 フォルツ:「……このトカゲだけを沈めればあたしたちは助かるんじゃないの?」
 不穏な視線がロン・ジェムに集中。
 フォルツは、ドゥアン特有の膂力でロンの手を締め上げる。
 フォルツ:「あんたの、この指にはまってる宝石売れば、あたしはチャラ夫様と結ばれるのよ!」
 ロン:「やめてー! 余ってば、それがないと攻撃能力ないの! 指落とさないでーっ!」
 シャルル:「やめたまえ君たち! 殴るなら私を殴ってくれハァハァ!」


 ◆ミドル1:賭博黙示録
 醜い争いの後、なんとか「みんなで借金を返そう」という方向で合意。
 よかったよかっためでたしめでたし(俺のキャラの生命的に)。
 ちなみにフォルツの脳内では「これもチャラ夫様からの愛の試練なのね♪」と、独自の世界観が構築されていた。ハッピーな生き様である。
 ともあれ、ゴンゾロフ商会に連れて行かれた先の裏カジノで起死回生の一攫千金を狙うことに。
 金貸しの紹介する賭場を信用しろというのか。
 しかし、やるしかないのである。
 ここで金を稼げなければ、一生ゴンゾロフ商会の手駒としてこき使われるのだから。
 つーわけで、まずは種銭稼ぎ。
 カジノ支配人のトレル&ゼニーナ父娘が提示した、裏闘技場に参加する我々であった。
 ちなみに“ゼニーナ”ちゃんの命名をしたのは俺なのですが、けっこうイケてる名前のような気がしますがいかがお過ごしでしょうか。
 閑話休題
 裏闘技場は、“わくわくジャングルコース”と“どきどきサファリコース”からの二択。
 前者の方が難易度が高い分、実入りもでかいということなので、こちらを選択。
 さーて、まずは前座の“どきどきサファリコース”の試合でも見物するかな!
 ライオンとフライングバッファローの群れが冒険者食い殺してた。
 こいつら、15レベルくらいのエネミーだよね? 俺ら3レベルだよね?
 これで難易度低いの……?
 戦慄しつつ闘技場に降り立った我々を出迎えたのは……。
 ギルマン三銃士withギルマンスター
 や、やってやらぁぁぁぁぁっ!
 …………。
 ……。
 んで、勝った。
 金にあかせた装備は伊達じゃない。
 ここで数万Gの大金を獲得したが、借金からすると焼け石に水
 そこで、さらにポーカーやスロットに投入することに。
 ここら辺は、各人の得意能力を活かしたFS判定で処理。
 途中、危ういところもあった(アカギみたいなギャンブラーに遭遇したり)けど、これまたクリア。
 でも、まだまだ足りない……。


 ◆ミドル2:脅威の借金魔術
 そうこうするうちに、奥の部屋で支配人父娘がチャラ夫にいびられてる様子を目撃。

 チャラ夫:「っつーかさぁ、なんでアイツら順調に金稼いでるワケェ?」
 トレル:「す、すみません!」
 チャラ夫:「あんたら借金あるくせにさぁ、ナめてんの? もっと搾り取れよ!」
 ゼニーナ:「そ、そんな…………」

 話を総合するに、支配人たちもゴンゾロフ商会の被害者っぽいことが判明。
 ……と、ここで立ち聞きが発覚。
 しょうがないのでゾロゾロと入室する我々。
 その部屋にいたのは、トレル&ゼニーナ、チャラ夫、トリタテ、そして……なんか部屋の半分位ありそうな人間(?)。
 ジャバ・ザ・ハットとハート様とゲイラ様を足しっ放しにしたような肉塊。
 その名は、グラン・ゴンゾロフ。チャラ夫とトリタテの父にして、ゴンゾロフ商会の長!

 グラン:「ファ〜ファ〜ファ〜(笑い声)。借金持ちの冒険者どもかぁ」
 チャラ夫:「父さん、こいつら盗み聞きしてたぜ」
 グラン:「ファ〜ファ〜。よし、罰として借金額を倍にしてやろう」

 ふざけんな!
 こうなりゃ借金とか証文とか関係ねぇ、冒険者唯一最大の資産である“暴力”で支払ってやらぁ!
 ……と、いきり立った我々の耳に聞こえてきたのは、奇妙な鈴の音。
 グランが鈴を振るたびに、我々の動きが……阻害……され、る……。

 GM:「借金を万で割った数字に等しいだけ、あらゆる達成値が下がるから」
 一同:「ゲェッ!!」
 GM:「金額倍だから、フォルツは−9、シャルルは−11、コントラは−5、ラッドは−17!」
 ロン:「つまり、余は……?」
 GM:「−92だね」

 これは ひどい。
 肉体が硬直する苦しみにのたうちまわる冒険者たち。
 シャルル:「や、やめたまえ……ハァハァ」
 被虐の喜びを味わう例外が一名。
 それはさておき、このすさまじいペナルティはなんなのか。
 グラン:「ファ〜ファ〜ファ〜。この世の全ての者は、金には逆らえん。わしは、その金を触媒とする究極の魔術を編み出したのだ! これぞ借金魔術!」
 な、なんだと!?
 グラン:「またの名を、高額アイテム賃貸からの買い上げ強制による魔術。
          略して賃貸魔術!(レンタルマギカ)」

 J( 'ー`)し まことへ しゅんさくを
      こうしゃうらに よんでおきました
      えんりょなく ふるぼっこにしてください

レンタルマギカ ~魔法使い、貸します! (角川スニーカー文庫)

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 勝利の高笑いと共に、ゴンゾロフファミリーは去っていった。
 がっくりとうなだれる我々に声をかけてきたのは、例の父娘だった。

 ゼニーナ:「あんたたつ、まっこつ災難だべな。父っちゃ、こんなのって酷過ぎんべよ」
 トレル:「そったらこと言ったって、オラたちじゃああいつらには勝てんしよう……」

 すんごい訛ってる。
 事情を聞くと、彼らは騙されて4億もの借金を背負い、この賭場の管理を任されたのだという。
 ちなみに本名は“留吉”と“お松”。東方出身らしい。なめんな。
 しかしなんだかんだで悪人にはなれず、良心的な経営を心がけているため、先程のようにゴンゾロフから吊し上げを受けているとのこと。
 もちろんゴンゾロフのやり口は違法なのだが、例の借金魔術によって動きを阻害されるため、お上に訴え出ることもできないという状況。
 フォルツ:「……おめら、そんなカモられっから田舎もんがバカにされるんだべ!?」
 なんかこっちもすんごい訛ってる。
 そういえば君、田舎の出身って言ってたね。
 フォルツ:「いっつもそうだべ! 都会さ出て、イイ男さゲットしてナウでヤングなシチーライフ送りてのに、いっつも騙される! でも、オラたちが悪いだか!? 違う、あいつらがオラたちをバカにして食いものさしてるだ!」
 どんどん論旨が横滑りしていくフォルツ。
 そして。
 コントラ:「わかります! どの神様を信じても、結局は幸せになんかなれなかった!」
 ラッド:「科学だって万能じゃなかった!」
 シャルル:「エリンディルを亡霊が歩いている。資本主義という亡霊が……」
 ロン:「我々は搾取されている! 資本主義の豚どもを吊るせ!」
 一同:「おーっ!」
 急激に赤化してゆく冒険者たち。


 ◆クライマックス:立て万国の冒険者
 冒険者たちは決起を決意した。
 状況を整理すると、以下の通り。
 ・借金を返せば借金魔術の影響は逃れられる。
 ・債権者ゴンゾロフは返済を拒否してはならない(借金魔術のルール)。
 ・ゴンゾロフの鈴は魔術焦点具。これがなければ魔術は発動しない。
 ・鈴を盗み出す必要がるが、借金のない人間でなければ太刀打ち出来ない。
 トレル(留吉):「この手袋さ使ってくだせ。《スティール》が使えるようになるとよ」
 ゼニーナ(お松):「オレたちじゃ返り討ちに合うのが関の山だけんど、あんたらなら……」
 つーわけで、一番手先が器用なラッドにすべてを託すこととなった。
 今ある金で彼女の借金を返し、手袋を使って鈴を盗みとってもらえば良いのだ。
 ラッド:「任せてくださいロボ! ……あれ、それって、あたしひとりだけ綺麗な体になれるってことですロボ?」
 一同:「…………」
 ラッド:「冗談ロボ! イッツオンリーアジョーク! 逃げるわけないっしょ!」
 かくして、堅く熱い絆に結ばれた冒険者たちは動き始めた。
 裏切りは、死。


 そしてクライマックス。

 ラッド:「さぁグラン・ゴンゾロフ、この金受け取りなーっ!」
 グラン:「ファ〜ファ〜ファ〜……ご利用ありがとうございましたー!」
 ラッド:「ではこれよりオペを開始する! 摘出部位は鈴!」

 お前いつから医者キャラになったんだよとツッコまれつつも、鈴の奪取は成功。
 しかし、そのまま黙ってるゴンゾロフ商会ではない。
 さぁ暴力の時間だよ!
 フォルツ:「チャラ夫様! あなたと過ごした時間楽しかった! けれど、戦わなきゃならないの!」
 フォルツひとり、いつものように独自の現実を見つめていた。
 たぶん、この人は冒険のたびにこうなのだろう。
 剣戟と魔術の爆音が交錯し―――そして最後に立っていたのは冒険者たちであった。
 一同:「資本家は倒れたぞー!」
 かくして借金魔術は崩壊し、ゴンゾロフ商会によって縛られていた人々は解放された。
 商会の超違法操業は白日の元にさらされ、グランたちは書類送検されることとなった。
 そして冒険者たちは……。
 「ヒャッハー! ちょっと苦労したけど、高級装備丸儲けだぜーっ!」
 「さぁ、金にモノを言わせた冒険のたびに出かけましょう!」
 「やっぱ金だな!」
 全然反省してなかった。
 かくてボンクラどもの旅は続く。